フラッシュライト編 ~ 第5回:バッテリーについて・フラッシュライトのお手入れ方法

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高性能を維持するには、バッテリーとお手入れを知ることが重要です。

フラッシュライトを稼働するためにはバッテリーが必要ですが、バッテリーは高品質なことが重要です。
耐久性に優れたフラッシュライトも長期間メンテナンスをしないことで蓄積した汚れやダメージによって、製品が持つ高い性能を発揮できないことや最悪の場合は機能しないことがあります。現場でそうならないためにも、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
今回はフラッシュライトのバッテリーとメンテナンス、機能的なフラッシュライトホルダーについてお伝えさせていただきますので、ぜひご覧ください!

フラッシュライトのバッテリー

フラッシュライトは、高性能を引き出すために電源となるバッテリーが重要なアイテムになります。

主に用いられるのは、CR123A 3Vリチウム電池とリチウムイオン電池になります。

CR123A 3Vリチウム電池(充電不可)は、アルカリ電池より優れており、厳しい高温、低温の環境に耐え、高出力の放電特性を持つのでカメラやライトなどの主電源に最適とされています。ちなみにSureFire CR123Aは、厳しい高温、低温の環境に耐えて、通常で10年間保管できる高品質の米国製電池です。(SureFire専用のオリジナル仕様としてSFLFP123充電池もあります。)

リチウムイオン電池は、小さくて軽く、急速充電性能が高いうえに繰り返し継ぎ足し充電をしても、バッテリーの寿命に影響が出にくいということで、最近のフラッシュライトの電源として多く使われています。

リチウムイオン電池は、18350セル、18650セル、21700セルなどがありますが、この名前の由来は個体のサイズを表記しています。

18350セルは、直径18mm、長さ35mm、18650 セルの場合は、直径18mm、長さ65mmとなり、21700セルは、直径21mm、長さ70mmになります。末尾の0は円筒形であることを示しています。ちなみにCR123A 3Vリチウム電池の場合、直径17mm、長さ34.5mmとなります。

左から「123A」「123A(充電式)」「18350(充電式)」「18650(充電式)」「21700(充電式)」

バッテリーサイズからフラッシュライトがいかに小さいボディかをわかるかと思います。

※ショップ脚注:特にCR123A、SF123LFP、18350は形状がよく似ており紛らわしくM340DFTなどDualFuelモデルの場合どれも使えるケースがあります。しかし間違えて使うと危険と伴います。適合するライトをよく調べてからご購入お願い申し上げます。またCR123AにSF123LFP用の充電器使用すると爆発などの危険がございますのでご使用なさらないようにお願い申し上げます。
(通常商品ページに記載しております)

フラッシュライトの注意事項

ハイビームでの長時間の照射は厳禁です。

フラッシュライトをお使いになった方は、高出力状態のフラッシュライトを長時間使っていて本体が熱くなった体験をしたことがあると思います。

上:ハイビーム時、下:ロービーム時

これは、バッテリーが発熱して伝熱したことで本体が熱くなったのです。

ハイビームで長時間照射した状態で使い続けてしまうと、レンズが焼け、最悪の場合は基盤にダメージをあたえてしまいます。

左:焼けたLED、右:正常なLED

実務において暗所で長時間の照射で明るい状況に慣れてしまうと、明るさに合せて感度を変える明暗順応が低下してしまい、消灯後の活動に支障がでてしまいます。

長時間照射を要する際に使うモデルとしては、明暗順応に影響が少なく低出力で長時間使用してもバッテリーの持続時間が長いモデルをおススメします。

フラッシュライトのメンテナンス

高性能なフラッシュライトは、過酷な環境下でもその性能を発揮して機能します。

しかし、使用後に適切なメンテナンスをしなければ、次の使用時にその性能を発揮できるとは限らないです。次回の確実な作動をさせるためにもメンテナンスは欠かせません。

高性能とメンテナンスは同義語

フラッシュライトの定期的なメンテナンスは性能維持のために不可欠です。

メンテナンスをせずに長期間使用していた場合、故障かなと思うようなライトの光の点滅や光量不足などのトラブルを体感した方もいるでしょう。このようなフラッシュライトのトラブルへの対処法を、ハンディライトを例にメンテナンスと合わせてお話をしていきましょう。

故障かなと思ったら電池の交換

使用中に点滅や照射光量が低いなど、本体が故障したかのようなフラッシュライトの機能上の問題の95%は、電池の消耗かプラスとマイナスの向きを逆に入れるなどの不適切な取り付けと言われています。

ハイとローモードのような光量を調整できるモデルの場合、電池が消耗していると低出力設定しか正常に作動しないことがあります。新品の電池と交換をすること、これが最初にトラブルシューティングでやることです。新しい電池を使用することで、ライトがオンの位置になっていたり、記憶していた使用量よりも長い時間稼働していたりする可能性を排除していきます。

高い電力が必要なモデルの場合、電池の電力不足も疑えるので、まずは新品の電池に交換をしてみましょう。

重要な注意事項として、フラッシュライトメーカーや国産メーカー品以外の粗悪なCR123A電池は絶対に使用しないでください。海外製CR123A電池の多くが、低品質なために急激な熱発生を起こし、火災や物的損害、使用者に危害が及ぶ可能性があります。

必ずメーカー純正、もしくは品質を保証されたバッテリーを使うようにしましょう。

テールキャップとヘッドのクリーニング

フラッシュライトのメンテナンスとして、常に適切なクリーニングをする必要があります。

ほとんどの場合、テールキャップの不具合は、テールキャップのネジ山が油などで汚れていることが原因です。

これにより通電が不充分になり、作動しないことがあります。そのようなことが無いようにクリーニングの方法をご紹介しましょう。

最初に布かペーパータオル、または同様の吸収材を使用して、テールキャップの溝を清掃します。

次にテールキャップ、ヘッド、ボディの間の電気的接触を確実にするため、ネジ部先端の平らな面とテールキャップ内部の対応する部分を清掃します。

ヘッドが取り外し可能なフラッシュライトの場合、ヘッドのネジ山にゴミがないことを確認するために、クリーニングをします。

フラッシュライトのOリングは、汚れや湿気などがボディ内部に入り込むことを防ぐためのものですが、長期間の使用で機能が低下していることがあります。

そこでOリングのゴミや汚れを綿棒で取りつつ、軽くクリーニングを行います。きれいになったら、シリコングリースをOリングに塗るだけでOKです。

ボディのネジ山ではなく、Oリングだけにグリースを塗るのですが、この時にスプレー式潤滑剤や石油系潤滑剤は使用しないでください。

酸性、アルカリ性、石油系溶剤は、ライトのどの部分のクリーニングにも使用しないようにご注意ください。

以上が、フラッシュライトのメンテナンスと自分でできるトラブルシューティングとなります。

蓄積したカーボンの除去

WMLは実銃の場合、発射時に飛散するカーボンがレンズに付着するため、時間の経過とそれに伴った発射数の多さにフラッシュライトの透明度を下げてしまうことがあります。

そこで、カーボンが蓄積をする前にリップクリームや非石油系潤滑剤をきれいなレンズに塗っておくことがメーカーから推奨されています。これを射撃前に行い、トレーニング終了時にカーボンを布で簡単に拭き取ることができるといいます。

ほとんどの銃器用潤滑剤は石油系であり、時間の経過とともにベゼル内部のOリングを劣化させるのでご注意ください。

もしカーボンが付着してレンズが曇ってしまった場合は、消しゴムや柔らかい布に少量の歯磨き粉を含ませてこすり洗いしてください。

最後にアルコールで拭き取れば、レンズはきれいになり、いつでも使用できるようになります。次の射撃日の射撃前に予防処置をしてレンズをきれいにしておきましょう。

説明したトラブルシューティングとメンテナンスを行っても不具合がある場合は、他の原因が考えられるので、保証書を探し出して正規代理店にご連絡をしてください。

修理・サポートを受けるには

代理店に修理を出す場合、代理店購入を証明するための保証書が必要となるので、保証書は大切に保管をしておきましょう。


今回はフラッシュライトのバッテリーとメンテナンスについてご説明をさせていただきました。

次回は、ハンドヘルドライトのユーザーにお勧めしたいライトホルダーをご紹介しますので、ぜひご覧ください。

次回連載予定 第6回 ハンドヘルドライトを携帯するためのアクセサリー

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